2009年7月の庭 No.1

「アンズの庭」へ足を踏み入れたら、
植物たちが、
ちょっこっとご機嫌斜め。

バラたちが
やたらと
私の帽子を取り上げたり、
首に巻いたタオルを引っ張ったりして
言うことは、
「雨が続くから水やりはOKと思っていたのが
バレバレよ。
私たちは庭の大きさに合わせて
枝を落とすことはできないのよ。
ここが山の中でなくて庭だってこと
忘れないで。」

ラムズイヤーが気位の高い淑女ぜんとして言う、
「アンズさん、
私の一番花
撮り損なったでしょう?
私、二番花を咲かせて待っていたのに
ああ、残念、
昨日までがシャッターチャンスだったのよ。
私の自慢の紫のブラウスの輝きに衰えが見えるわ。
シルバーグレイのスカートの裾が少し傷んでいるの、
ちょっと整えてくださらないこと。」

ニゲラは
反抗盛りの拗ねた男の子のようだ。
雨でずぶ濡れのまま
めちゃくちゃに横たわり、
私を見上げて言う。
「ボク、一人じゃ起きられないの
知っているでしょう?
もう、タネをいっぱい作ったから
頭が重いんだよ。」

私は
「分かった、分かった、
ゴメン、ゴメン。」と
庭中の植物たちに声を掛け、
脚立に昇って、
パーゴラから顔を出して、
フランソワズ・ジェランビルと
アルフレッド・キャリエールの枝を落としにかかる。

デッキは
みるみる
落とした枝で覆われる。



バレリーナ



ラムズイヤー



ホワイトメイディランド



ニゲラ



バレリーナ



ホワイトメイディランド



バレリーナとバフビューティー



ホワイトメイディランド



バレリーナ



ホワイトメイディランドとニゲラ



バレリーナ



ホワイトメイディランド



バレリーナ



ホワイトメイディランド



バレリーナ



ホワイトメイディランド



バレリーナ



ホワイトメイディランド



バレリーナ





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