ナニワイバラが 夕刻の光に浮かび上がる ほのかな香りを漂わせ 妖艶な美しさで私に迫る 「もう少し陽が落ちるのを待てば 特別の秘密を打ち明けるわ」と そっと私に耳打ちする 太陽の下のナニワイバラは 別人のようだ 「私に秘密があるなんてこと 誰が思うものですか」と 花びらを思い切り開いて 平気の平左で咲き誇る
夕刻